デザインと機能が優秀過ぎる焚き火台「ウルフ&グリズリーFIRE SAFE・グリルM1」

様々なキャンプ道具を扱っていると、
使えば使うほどに愛着の湧く道具に時々出会うことがあります。
今回紹介するのもそんな道具のひとつ。
その見た目のデザインや考え抜かれた性能設計から、長く愛用したくなるキャンプ道具となっていますので、こだわりのあるキャンプギアを求めている方はぜひ最後までご覧になってみてください。
長く愛用したくなる焚き火台Wolf&Grizzly FIRE SAFE with グリルM1
今回紹介するのは、こちらのWolf&Grizzly(ウルフアンドグリズリー)の焚き火台セットです。
焚き火台の方が「FIRE SAFE」という名称で、セットで使うグリルは「グリルM1」という名称でそれぞれ販売されています。
まず、面白いのが商品を作っているブランド。
このWolf&Grizzlyは、カナダのオンタリオ州で元々エンジニアだったジョージ・リスカラさんが立ち上げたアウトドアギアブランド
‘‘「気軽に使いやすく、コンパクトでシンプルな飽きのこないデザインで、長く愛用してもらえる丈夫なモノが良い。」というコンセプトのもと、ギアを創りたいという想いにかられるようになりました。’’
George Rizkalla W&G
これまでのキャンプギアとは違った視点で作られ、洗練されたデザインや優れた耐久性、使用する環境の背景を考えて作られたギアが魅力なブランドです。
特に面白いのが、販売されている商品のラインナップ
W&Gの商品は、焚き火台の「FIRE SAFE」、焚き火台とセットで使える「グリルM1」、さらにグリルM1に取り付けて使用する調理用の「クックセット」
この3点のみのラインナップとなっています。
しかも、この3点はすべて組み合わせて使える仕様になっているのが特徴。
焚き火台【FIRE SAFE】&グリルセット【グリルM1】
FIRE SAFE & グリルM1 & クックセット
もちろん焚き火台やグリルを単独で使うことも可能ですが(クックセット使用時はグリルM1が必須)
「グリルは他のメーカーで代用できるから、焚き火台だけ購入しよう!」なんて考えながら焚き火台を購入しようものなら最後。
次第に他の二製品も気になりはじめ…
「せっかくなら組み合わせて使ってみたいよなぁ…」なんて考えている間に気づくと2つ目、3つ目と全揃いしている始末。
「3つの連携がどれだけ良いのか、試してみようじゃないか」と、
人間の揃えたい欲(コンプリート欲)を上手いこと刺激してくるのです。
個人的にこの(コンプリート)現象は何度か体験したことがあって、
それはあのapple製品を購入したとき
あの時の気持ちに非常に近いと思っています…笑
iPhoneに始まり、iPad、Mac、apple watch…
効率よく連携して使える上にそれぞれのデザインが秀逸で、
気づくと身の回りは全てapple製品。あの感じです。
この辺はさすがに元エンジニアが作っただけあって、非常に細部までこだわっているのが感じ取れるデザイン設計だと感心させられます。
そんなW&Gの商品ですが、ご察しの通り、僕は3つの商品全てを購入して使っております。特に焚き火台とグリルM1との付き合いは長いので、今回はその2つに焦点を当てて紹介したいと思います。
また後ほど「クックセット」を取り上げた内容もご紹介しますので、そちらもお楽しみに。
ということで早速、使ってみて知った「FIRE SAFE焚き火台とグリルM1」の魅力をお伝えしていきます。
堅牢無骨で経年美化を楽しめる焚き火台「FIRE SAFE」
焚き火台「FIRE SAFE」
‘‘ 6枚の蛇腹状のパネルからなる火床と折りたためるフレームのコンパクトな焚き火台。バックパックに入る大きさでグリルM1と合わせて使用することで、あらゆる焚き火料理に対応 ’’
この焚き火台にはジッパー式収納ケースが付属されており、基本的なサイズはこんな感じ
収納時サイズ:W29.2cm×H10.5cm×D2cm
展開時サイズ:W28.6cm×H27.8cm×D5cm
重量:910g
素材:ステンレススチール製
非常に薄くコンパクトに収納できる上に、重量も1kg未満と軽量
バックパックに入れて気軽に持ち運ぶこともできるので、軽量装備のソロキャンプなどにも向いている焚き火台かと思います。
収納ケースを開くとこのように焚き火台が2つに分割されて入っています。
左側が土台となる部分で、右側が火床です
折り畳まれた土台を展開すると美しいスクエア型になります
火床は蛇腹状に収納されているので開いて、土台に乗せるだけ
土台となる部分は持った感覚では比較的軽い印象で、火床となる部分には重量を感じるので
薪を置く火床に安定感が集約しているようです。
FIRE SAFEの特徴
この焚き火台の特徴は主に3つあって、
・ 美しいスクエアデザインと直火感覚に近い焚き火台
・ 蛇腹状の変わった形状の火床
・ 長く使い続けるための素材と経年美化
この3つの特徴と使い込まれたときに滲み出てくる無骨な雰囲気が非常に印象的な焚き火台です。
そんな特徴を持つ焚き火台が、長年使ってみた時にどのように変化するのか?
個人的に使ってみての使用感はどうなのかをお伝えしていきます。
美しいスクエアデザインと直火感覚に近い焚き火台
W&Gの焚き火台を見た時に、最初に目を引くのが美しいフォルムではないでしょうか。
他のメーカーを見てもスクエアデザインの焚き火台は少なく、非常に珍しいものですが、
さらにFIRE SAFEは低い身長をした直火感覚に近いデザイン設計になっています。
実際に使ってみても、そこに焚き火台はあるが、地面で焚き火をしているような感覚もあり、本当に直火に近い焚き火台と言えるでしょう。
わずか数cmは地面から離れているため、直に地面を傷つけるわけではありませんが、
焚き火台と地面の間は熱が篭りやすいため、焚き火シートを使う方がより安全に使用できるかと思います。
長期間(約3年ほど)使ってみても、この美しいフォルムは変形することなく形を維持しています。
元々シンプルで美しいデザインを意識して作られた焚き火台は、
長年使っても飽きることなく、道具の経年美化を感じながら使い続けることができます。
ブランド代表の言っていた「シンプルで飽きのこないデザイン」とはまさにこのことでしょう。
蛇腹状の変わった形状の火床
少し変わった蛇腹状の火床をしているのも特徴のひとつです。
蛇腹の役割は2つあって、
・ 折りたためることでコンパクト収納に役立つ
・ 空気の通り道を作り燃焼効率を上げる
バックパックで気軽に持ち運ぶための収納手段として蛇腹形状であることはすごく考えられた作りだと思います。
さらに言うと、2つ折りや3つ折りでも良いところを蛇腹形状にしているのは、
展開した時に凹凸が生まれる設計にするためでしょうか。
細かい設計のことまでは分かりませんが、使ってみて感じたのは、
凹凸の蛇腹形状であるが故に、薪を置いても空気の通り道が確保され、効率よく燃焼します。
一方で長期間使って気になった点として、
蛇腹は関節(つなぎ目)が多くなるので、使いこんで多少錆び付いてくると、開閉動作がスムーズでなくなる問題が出てきます。
そのため、組み立ての際に土台と火床を合わせる動作に時間がかかることもあります。
これは長年使っていると確実に出てくることなので、できるだけ長く使うためにも、
使用した後は綺麗に汚れを拭き取る、湿気の少ない場所で保管するなどの工夫をしたいところです。
もうひとつ気になる点は、火床のサイズ感
コンパクトな焚き火台ではありますが、縦横30cmに満たない火床であるため、
市販の薪ではサイズオーバーすることが多く、薪の長さ調整が必要になります。
大きい薪や長い薪を直接扱うことに関しては不向きな面もあるかもしれません。
ただし、ソロキャンプで使用した時のサイズ感としては大き過ぎず、小さ過ぎず、
非常にベストなサイズなので、薪の長さ調整は理解した上で使うと問題はありません。
長く使い続けるための素材と経年美化
キャンプギアと素材の関係性はすごく重要な要素だと感じていて
長年使用した時の耐久性(強度)や使い込んだ時に出てくる道具の雰囲気も素材が大きく影響してきます。
FIRE SAFEに使われている素材はステンレス鋼
錆びにくさや耐熱性、強度を兼ね備えているのがステンレスの特徴です。
FIRE SAFEも軽量ながら安定感を感じる適度な重量、
そして長期間使い続けることのできる耐久性を兼ね備えた焚き火台です。
ただし、錆びにくいとは言っても、全く錆びないわけではなく、先ほどもお伝えしたように
常に高温の火力を受ける火床は徐々に消耗するため、メンテナンスを怠ると錆びてしまいます。
ステンレスはメンテナンスのしやすい素材なので、
使った後は必ずケアすることをお勧めします。
道具は素材によって長年使った時の雰囲気が異なってきますが、
高強度のステンレス鋼材が使われているFIRE SAFEは使えば使うほどに、焼け色が美しく
経年美化を感じられる焚き火台へと成長していきます。
シンプルであるが故に、その美しさをより感じることができるのでしょう。
単独でも使用できるデザインと機能を兼ね備えたグリルM1
続いて紹介するのが、焚き火台と一緒に使うことができるグリルセットの「グリルM1」
こちらの製品も、焚き火台同様に単独でのデザイン性と機能性が光る道具になっているので
使ってみて感じた魅力をお伝えします。
Wolf&Grizzly グリルM1
‘‘丸められる網と折りたたみ可能な脚からなる焚き火用グリル。収納するとグリルだとは思わないほどコンパクトになり、バックパックのサイドポケットにも収まってしまいます。網の引っかける位置を変えることにより、炎の大きさに応じてサイズ調整が可能’’
グリルM1にも収納ケースが付属しており、基本的なサイズは以下のような感じ
網面サイズ:27.5cm×28cm
収納時サイズ:5cm×40cm
重量:1.0kg
耐荷重:13kg
素材:ステンレススチール
内容:グリル、フレーム、マイクロファイバークロス、クリーニングツール、
ファイヤースターター、収納袋
焚き火台と同様にグリルM1もかなりコンパクトに収納することができ、重量も1kgと軽量です。焚き火台と合わせて2kgを切る重量とそれぞれの収納力。
こちらも軽量装備な面からも非常にメリットの高い製品になっています。
Wolf&Grizzly グリルM1の特徴
グリルM1の特徴は3つ
・ ステンレス鋼の網を丸めて収納可能なグリル
・ 高さ調整が可能なワイヤー固定式グリル
・ 単独での使用、他の製品との組み合わせも可能なグリル
こちらも3つの特徴を長年使ってみて、どのように感じたのかをお伝えします。
ステンレス鋼の網を丸めて収納可能なグリル
グリルM1の特徴一つ目は、驚きの収納力です。
縦横約28cmもあるグリル用の網ですが、なんとこの網
丸めて収納することが可能なんです。
そして、収納すると5cm×40cmのサイズ感までコンパクトに収まります。
土台となる脚を折りたたみ、網となる部分は丸めることが可能になっています。
土台となる脚を開閉している
ワイヤー固定の網を取り付けている
持ち運びが非常に楽であることもそうですし、
簡単に開いて使うこともできれば、簡単に丸めて片付けることもできます。
気軽に使うことができる点では非常にポイントが高い作りです。
僕は、気軽に開閉できるメリットを活かして、グリルとしてだけでなく
簡易テーブルとして使用することも多いです。
焚き火台同様に素材はステンレススチールが使われており、耐荷重が13kgもあるため、
非常に安定したグリルで、重量物を置くテーブルとしても優秀なんですね。
高さ調整が可能なワイヤー固定式グリル
グリルM1のもう一つの特徴が「ワイヤー固定で自立する」というデザインです。
土台となる脚を開くと、このようにワイヤーの先端を脚に引っ掛けて固定します。
見た目は不安定な印象を受けますが、実際に使ってみると、非常にしっかりと引っかかるため、安定性は全く問題ありません。
むしろどんな重いものを乗せても耐えられそうな印象さえ受けます。
さらに、ワイヤー固定を細かくみてみると、ワイヤーの取り付け位置を3段階に変化することができます。
グリル高さが20cm
ワイヤーの位置を一つずらすと、グリルの高さが変化します。
グリル高さ15cm
もう一つワイヤー固定位置を変えると、グリルはフラットの状態になります。
グリル高さフラット
このように3段階の高さ調整ができるため、使用する環境に合わせて調整したり、
焚き火の火力に合わせて高さを調整することもできます(効率的な料理に繋がります)。
実際に長い期間使ってみると、高さ調整ができることのメリットは非常に高く
焚き火の火力(特に熾火)に合わせて20cmから15cmに変更するシーンはよくあります。
数cmの差ですが、お湯の沸騰時間や食材の焼き加減などに十分な影響を与えるので、
この点は使い込んでみて感じた良いポイントです。
単独での使用、他の製品との組み合わせも可能なグリル
実は、焚き火台よりも先に商品化したのがグリルM1というだけあって
このグリルは自立することができるため、直火での焚き火料理にも対応することができ、
単独で十分にキャンプで使うこともできる性能を兼ね備えています。
また、グリルが自立するという点は、W&G焚き火台以外の製品にも組み合わせて使うことできます。
僕の場合は、コールマンのファイヤディスクと組み合わせたり、ソロストーブとの相性も良いかと感じました。
コールマン ファイヤーディスクとグリルM1の組み合わせ
ソロストーブとグリルM1の組み合わせ
W&Gの焚き火台「FIRE SAFE」とグリルM1の組み合わせが理想ではありますが、
状況や環境によって単独使用またはその他焚き火台との使用ができることは
使っていても非常に面白いポイントであると思います。
クリーニングからファイヤスターターまで付属品の充実
長年使っていて、これはありがたいと感じたのがグリルM1に付いてくる付属品
マイクロファイバークロスは収納時の保護や簡単な汚れ拭きに使えます。
また、ファイヤースターターと一緒に付属しているのがクリーニングツールで、
これを使うと網に付着している汚れや焼き残りなどを綺麗に取り除くことができます。
グリルM1に使われている素材のステンレス鋼はメンテナンスも非常にやりやすい素材なので、こまめにケアすることで長く使うことができます。
焚き火台の時もお伝えしましたが、長く愛着を持って使い続けるギア設計になっていることがW&Gの根底にあると。このグリルM1を使っていても感じられます。
Wolf&Grizzly焚き火台とグリルM1の経年変化
最後に、実際にFIRE SAFEを使っているシーンを見て頂きながら
この焚き火台の雰囲気を感じてもらえたらと思います。
いかがだったでしょうか。
Wolf&Grizzlyの製品の魅力が少しでも伝われば嬉しいです。
非常におすすめできるキャンプギアになっています。
グループキャンプでもソロキャンプでも使える道具ですし、
使い込んでいくと愛着を感じられる道具に成長していくと思いますので、
気になった方はこちらからチェックしてみて下さい。
同ブランドの「Cook set クックセット」も今後紹介しますので、興味がある方はそちらの記事も合わせて読んでみてください。
また、Youtubeの方では「アウトドアな暮らし」に関する動画も投稿しています。
沖縄の美しい自然を舞台に、ソロキャンプや車中泊、最近はカヤックキャンプなどの内容も発信していますので、ぜひチェックをお願いします。
それではまた次回!